コワーキングスペースで開催されている様々な交流会や勉強会などのイベント行事。これらイベントを上手く活用すれば会員同士の交流を促し、また新しい知識の習得もできたりと、大変有益であることは確か。でもそこには大きな落とし穴があります。気をつけないとかわいい女子に高額自己啓発セミナーに勧誘されちゃうのです!
目次
実録!コワーキング施設に潜むセミナー勧誘の罠
今回は私が数年前に都内のあるコワーキングスペースの交流会で実際に体験した、高額自己啓発セミナー勧誘にまんまと引っかかってしまった失敗例を紹介します!数年前の自分の馬鹿バカばかん!
とある交流会イベントに参加
このコワーキングスペースは、大人の学びの場として開放されており、資格の勉強やキャリアアップを目指すサラリーマンやOLに人気があるスペースでした。私も会社勤めの帰りに寄って数時間仕事や勉強をするサードスペースとして活用していました。
そこで頻繁に行われていた会員同士の交流会が「ピザ会」というものでした。実際はピザばかり食べるわけではなく、おつまみ的なフードと潤滑油になるお酒を飲みながら、会員同士がワイワイし合う飲み会イベントでした。
このイベントは「ピザ会」という名前の受けもよく大変人気があって、月一開催で毎回50名近くの参加がありました。男女比も半々ぐらいで、会員同士の男女の出会いの場にもなっていた気がします。
そこで知り合った美人が今回の勧誘事件の発端になります!
美人OLからの執拗なお誘い
私がそこで知り合ったある美人OLさんは、はじめから積極的でした。
確かピザを取り分ける時に頼んでもないのに私の分を持って来て、「あっちで二人で話しませんか?」と言って、とにかく二人で話したがる感じでした。相手は美人なので悪い気はしません。
で、二人で会場の隅で1~2時間お酒やピザを飲み食いしながら、「職場はどこー?」とか他愛もない会話を楽しんでいました。なんでも六本木ヒルズで受付をやっているOLさんだとか。この時は「ああ六本木あたりのOLさんは華やかで積極的だなあ」と冷静に思っていました。
いや、「この子俺に気があるかも。ちょっとイケるかもしれない!」と思い始めていたので冷静さは欠いていたのでしょう。美人が醸し出す巧妙な「ちょっとイケるかも感」が罠だったのです。
美人OLに「お食事しませんか?」って誘われたら行くでしょ
交流会は2時間程度でお開きになり各自解散します。で、その美人OLは帰り際にしきりに連絡先を交換したがります。当然交換します!
そのうえ「あなたとはまた逢いたい。今度一緒に食事に行きませんか?」と誘ってきます。当然行きます!
わーい美人と食事だー!え?早速明日会いたいって?なんて積極的な。何でもどうしても食べたいホテルランチがあるとかで、昼前に九段下で待ち合わせすることになりました。
ヤバ過ぎるセミナー!ハッスルポジティブ祭り
さて、昨日振りに美人OLと再会していざ食事へ、とその前に寄りたいところがあるとか。いいですよ、と連れてかれた所が、あるビルの貸し会議室。
そこには既に30名程度の男女が椅子を丸く並べて座っていました。年齢は様々で若いOLやサラリーマン風の方も居れば、おじいちゃんおばあちゃんもいます。女性は総じて若くて綺麗めなのも特徴です。
そして壁には怪しげな体験記?や写真が一面に貼ってあります。50名程度まで収容できそうな会場には、何だか場違いのようなエアロビクス的な音楽も流れています。昔流行ったビリーズブートキャンプみたいなハイテンションな音楽です。そう、みんなやけにハイテンション。
異常なハイテンションで皆ハイタッチで挨拶を交わしています。隣に居た美人OLも受け付けらしき女性に「パーン!」とハイタッチを交わし、「頑張って!あなた今輝いている!」「あなたも最高!」などと挨拶をしています。
私「なにこの集まり?」
美人OL「とっても楽しい会だから」
私「?」
美人OL「騙されたと思って少し参加してみて」
私「騙す?」
そう、私は騙されてセミナーに連れてこられていたんです。なんだか意識改善だとかポジティブになれるだとか、そんな系の自己啓発セミナーに!
「やばい帰ろう」と思ったら入口が閉まって主催者らしき女性が登場し挨拶を始めます。これは帰り辛いタイミング。仕方がないのでしばらく”セミナー”に参加することになりました。
参加者は美人勧誘員と冴えない男性陣
まずは会場の中央に輪になって椅子に座らされます。
輪になって向かい合って改めて参加者全員を見渡すと、まあなんと女性は全員若くて美人です。そしてスカート丈が短い!皆スラッとした脚を覗かせています。そして男女比半々でぴったりペアになっています。どの美人の隣にも、それとは不釣り合いな総じて冴えない見た目の男性の姿が見えます。
そういうことか!ここにいる男達は、みんなこの美人ちゃんに騙されて連れてこられたアホ共だったのです!自分も!
「やっちまったー!みんな騙されたねー!」と顔を見合わせてバツの悪い笑みを浮かべる男性陣。妙な一体感が生まれるのがちょっとおかしい。
よく見ると例のピザ会に参加していた男性は私の他に2人居ました。ペアの女性も会で見たことある顔です。美人勧誘員にとってコワーキングスペースの交流イベントは絶好の狩場のようです。
自己紹介でハイテンションにセミナーを褒める勧誘員
セミナーは進みます。リーダーらしきマダムと呼ばれる主催者が司会進行を務めます。
マダムの案内で1人ずつ自己紹介を始めました。とは言っても女性は大体主催者側の人間で顔見知り同士。軽い挨拶程度で済むと思ったら大間違いでした。
1人目の女性はこれまた美人さんで、当然主催者側の勧誘員です。自己紹介は主催者の問いに答える形で進行します。例えばこんな具合に。
マダム「あなたの名前をみんなに教えてちょうだい!」
美人「(大声で)〇〇子です!」
(ここで大きな拍手!)
美人のいきなりの大声と会場の拍手に、男性陣は若干引き気味です。
マダム「〇〇は職場の人間関係で悩んでいたわよね?」
美人「はい!悩んでいました!」
マダム「セミナーに参加してどう?」
美人「はい!積極的にコミュニケーションを取れるようになって悩みは吹き飛びました!」
マダム「素晴らしい!エクセレント!」
(ここでさらに大きな拍手!美人さんもそれに応えて手を振っています。)
マダムの問いは続きます。
マダム「着実にステップアップしてきた〇〇!あなたは私達の誇りよ!」
美人は泣きそうなほど感極まった喜んだ顔で
「はい!ありがとうございます!」
マダム「さあ、〇〇の次の目標は何?何が欲しいか言ってみて!」
美人「昇級して年収1000万円欲しいです。それとハワイに別荘が欲しいです!」
「いやー、その回答はないでしょー美人ちゃん」と思ったら、これがまさかの大ウケ。またもや拍手の嵐です。
マダム「最高!お金もハワイも私も大好き!みーんな手に入れちゃいましょう!」
美人「はい!手に入れます!」
マダム「でもそれらを手に入れるのは大変よね?」
美人「はい!大変です」
マダム「私がまたチカラになってあげる!」
美人「ありがとうございます!」
マダム「じゃあ来月軽井沢で行われるセミナー合宿に来るわね?」
美人「はい!絶対行きます!」
(最高潮の拍手の嵐)
出た高額セミナー合宿!最終的にこいつに参加させるために僕ら男性陣は美人に騙されて呼ばれた訳ですね。
その他の美人勧誘員の言うことも大体一緒。
お店を経営していて倒産寸前だったがセミナーのおかげで大繁盛した。
セミナーのおかげで出世した。
セミナーのおかげで友達が増えた。
セミナーのおかげで大病が治った。
セミナーのおかげでなんだか幸せになった。
などなど。
とにかくセミナーで幸せになった人達ばかり。こいつら本当にアホじゃないの?
連れて来られた男性には飴とムチを
そんなこんなでさくら勧誘員のやらせ自己紹介が終わると、今度は連れて来られた男性陣の番です。
でも勧誘員の自己紹介とはちょっと違います。なんだかマダムも厳しめなんです。こんな具合に。
マダム「あなたの悩みは?」
男「特にありません」
マダム「悩みがない?あなたには内省する謙虚な気持ちや向上心はないの?」
男「はあ」
マダム「じゃあ過去にあった1番嫌な経験は何?教えてちょうだい!」
男「は?」
マダム「あなたのトラウマを語れって言っているのよ!」
どうして初対面の人達の前で自分のプライベートをさらけ出さないいけないのか、全く意味不明ですが、何か言わないといけない雰囲気とマダムの”圧”に押され適当に答えます。
男「悩みは強いて言えば仕事が忙しくてあまり遊べていないことですかね」
マダム「それは大変!なんて不幸なことなの。ねえ皆さん?」
(さくら一同「うんうん」とうなずいた後、深刻そうにシーンと静まり返る)
で、マダムはさっきまでの強い口調がうそのように、急にやさしい口調で話しかけてきます。
マダム「辛いわよね?あなた。」
男「いや、まあよくある悩みなんで」
マダム「ううん。あなたは不幸すぎてまわりが見えていないだけ。本当はとても辛くて悲しいはずよ。そうでしょ?」
男「まあ、辛いは辛いですけど」
マダム「辛い?しんどい?悲しい?なんとかしたい?」
男「はあ、まあ」
マダム「じゃあ軽井沢の合宿に参加すればいいじゃない!」
結局それかい!他の男性陣もほぼそんな感じで、何を言っても最終的に高額セミナー合宿へ勧誘されるオチ。
しかも値段が軽井沢に1泊2日で30万円だって!アホらしくて美人に騙された自分が情けなくなります。
そんなこんなで謎のセミナーの第一部は終了となりました。
第二部はホテルでお食事会
第二部は場所を変えて近くのホテルのレストランでお食事会だそうです。
「美人とお食事」ってそういうことかい!当然帰ろうとするとまたもや美人が「あなたの分予約しちゃったわ。今更帰るなんて非常識。ひどすぎます。私本当に困ります。ただのお食事会ですから一緒に行きましょ?二人でゆっくりお話したいです」といって必死に引き止めます。ガッと腕を絡ませ強引にホテルまで連行しようとします。
美人に強引にホテルに誘われる。
その誘惑に負けて、結局男性陣のほとんどがそのまま第二部の食事会に行く運びに。不思議ですよね?騙されているってわかっているのに美人には逆らえないんですバカな男は。
お食事会も勧誘祭り
ホテルのレストランに着くと、席は美人と向かい合う2人掛けのテーブルが用意されており、一応2人でお食事的な雰囲気です。料理はフレンチのコース料理です。
美人と2人掛けのテーブルに少し気を良くした男性陣は、つかの間の食事と美人との会話を楽しみます。もちろん会話の中身は普通の楽しいおしゃべりです。さっきまでのセミナー匂が嘘のようです。そうだよそうだよ、これからがデート本番だよ。
と思った矢先、ここでも各テーブルに勧誘員のボス”マダム”が回って、例の高額セミナー合宿へ勧誘して来ます。
私なんか特に鴨ネギだと思われたのか、しょっちゅうマダムが来て、肩に手を回し、甘い声で「あなたは今日の参加者の中で一番変われる可能性が高いわ。見どころがある。目が違うから!」と執拗に誘って来る始末。
こんなアホな高額セミナーに誰が金なんか払うかい、と思っていたら男性陣の中で早くも高額セミナー合宿に行くと決めた陥落者が出始めます。1人、また1人と。決まるごとにみんな拍手で男性を讃え絶賛します。勧誘員一人一人がテーブルに訪れハイタッチしながら「素晴らしい」「あなたは変われる!」「最高!」と。代わる代わるの美人の祝福に男性はまんざらでもない感じ。あかん完全に騙されてる。
こうして15名ほどいた男性参加者の半数近くがその場で高額セミナーへの申し込みを決めていました。
そして、申込者が徐々に出始めると、まだ申し込んでいない男性のパートナーは焦って猛攻をしかけて来ます。「私、あなたと一緒に軽井沢合宿に行きたいの」と露骨に参加を促してきます。
もう食事なんかそっちのけです。
そして美人勧誘員との涙の別れ
美人勧誘員とマダムの勧誘攻撃に行っても立っても居られなくなった私は、何度もトイレに行くフリをして席を中座。
途中で帰ろうと思って女の子に「ちょっと用事があるから先に帰るね。お会計は?」と切り出すと、「みんなでまとめてお会計するシステムだからもう少し待って。1人だけわがまま言わないで」と突っぱねられます。
帰りたくても帰れない、軟禁状態です。
レストランの従業員も見て見ぬフリをするか、たまに大きな拍手が起こると遠巻きにこちらの様子を見るばかりで助けてくれません。レストランからすれば、客が怪しいセミナー勧誘をしようがお構いなしで、むしろ定期的に30名の団体客を連れて来るセミナー主催者は上客扱いなのです。
そんなで2時間近くも地獄の食事勧誘会が続いたのです。
私は最後まで高額合宿の参加を拒み続けました。するとマダムも美人勧誘員も最後には怒り出す始末で、「あなたはこの先もっと不幸になる」「人生最大の好機を逃す愚か者」だとか、そんなようなことを言われました。
やっとホテルでの食事会が終わり、駅まで見送るとついて来た彼女との別れ際に「もうこんな会に男を誘うのやめなよ」と思わず言ったら、彼女泣き出しました。
曰く「本当にあなたのためを思って会に誘ったのに!あなたのためを思って・・・」だそうで。
え?本気?「そうか僕のためですか。でも、もうこういう会には二度と行かないよ」て言ってら、彼女から二度と連絡は来なくなりました、とさ。
コワーキングスペースのイベントはセミナー勧誘員に狙われています
はっきり言いますけど、コワーキングスペースで開催される交流会やイベントには、かなりの割合でこういったセミナー勧誘員が潜んでいます。真面目な勉強会ではなく、食事や飲み中心のライトなイメージの交流会には、特に多く潜んでいます。
うちの施設もそうですが、コワーキングスペースで開催されるイベントには次の様な禁則事項の規約が設けられているところが大半です。
宗教・ビジネス・セミナー等の勧誘禁止
禁止されていても一定の割合でこういった輩は潜んでいるのが実情です。場所を貸す側としては大変頭が痛い問題です。セミナー勧誘員の甘い罠にかからないよう、あなたも十分気をつけて下さい。
春はイベントや交流会が目白押し!セミナー勧誘に注意!
3月、4月はイベントや交流会が数多く開催されています。春という季節柄か、あるいは新年度に向けて、新しい出会いや学びを求める時期だからです。
そこをセミナー業者は狙っています。
また、新社会人、大学の新入生、この春から田舎から東京に引っ越して来た新東京人の皆さんは、勧誘員から特に狙われます。
新人歓迎会、歓迎コンパ、花見やワインの試飲イベントにもセミナー勧誘員はまぎれているそうですから、この時期は特に注意して下さい。
まとめ
ひっかかる男がバカだって言われてもねー。美人の甘い誘いにはご用心です。