2018年になっても高騰が続きそうなビットコインをはじめとする仮想通貨。その入手方法は、一般的な円やドルと交換する以外にも、採掘(マイニング)という方法があります。マイニングはパソコンを常時稼働するため莫大な電気代が必要。そこで、電気代が無料のシェアオフィスやコワーキングスペースでこっそりマイニングをする人が増えているとか?
目次
マイニングで話題の仮想通貨を簡単にゲットできちゃう!
テレビCMでも頻繁に見かける仮想通貨。
仮想通貨自体の説明は割愛します。この仮想通貨を入手する方法は、円やドルと交換する以外に、採掘(マイニング)という方法があります。
マイニングを簡単に説明します。ビットコインなどの仮想通貨はその取引記録を取引台帳に記載しています。それにはコンピューターの膨大な計算処理が必要。で、その計算処理作業を世界中の有志のパソコンで分配して行い、その見返りとして仮想通貨を貰える、というもの。実際はもう少し複雑なのですが、ここではかいつまんで解説しています。
つまり、マイニングをすれば自分の持っているパソコンで簡単にビットコインなどの仮想通貨をゲットできるのです。
運営しているコワーキングスペースの電気代が3倍に跳ね上がった!
前置きが長くなりましたが、ここからが本題です。
昨年2017年の夏頃から、運営しているコワーキングスペース「Enjoy Work」の電気代が異様に跳ね上がるという事件が起きていました!通常月の3倍ぐらいにです!うちのような小規模な店舗にとっては結構な痛手です。
はじめは「夏だからエアコンをつけすぎたかなあ」と思っていました。が、秋になっても電気代は3倍のまま変わらず、ついにはそのまま年の瀬を迎えることになりました。
店内で常時使用している電気器具は、照明、エアコン、ネット関連機器ぐらい。あとは、会員が持ち込んで使うノートパソコンの電源ぐらいしかありません。でも、そもそも会員数がそれほど多くないので電気代なんてたかが知れています。
電気代高騰の原因がわからず数ヶ月悶々と過ごしていましたが、ついにその元凶を発見したのです。
コワーキングスペースで会員がこっそりと24時間マイニングしまくっていた!
なんと会員さんがコワーキングスペースの電源を使ってマイニングをしていたのです!
うちのお店はフリーアドレス席と固定席に分かれており、固定席には自分専用のパソコンなど機材を据え置くことができます。シェアオフィスみたいな利用の仕方です。
その固定席会員さんの席に置かれているパソコンが、夜中になって会員さんがいなくても、「ブ~ン」と機械音を上げて稼働していたのです。それも毎日朝から晩まで四六時中。モニターはOFFになって何をしているかわかりませんが、うるさい機械音とピカピカ点滅するライトがとても気になります。
その会員さんはフリーのライターと聞いていたので、夜中までパソコンを稼働させる業務はなさそうです。(映像や開発などでは常時稼働で長時間をかけてレンダリングやコンパイルを行うことがあるのですが。)
しかも、そのパソコンが何やら高スペックそうな重厚な感じ。あとで調べてみたらゲームなどの高負荷な処理も行える20万円ぐらいの立派なパソコンでした。

こんなモンスターマシンが毎晩唸っているのを見て、「あらあら電源消し忘れかしらん」なんて悠長に言っていられません。
会員さんのパソコン画面を勝手に見るわけにいかないので、怪しいと思いつつしばらく様子を見ることにします。
そして、ある日の昼間、その会員さんがパソコンをいじっている時に話しかけます。
「あなたマイニングしてるでしょ?」
どうしてマイニングと分かったのか?会員さんがマイニングツールMinerGateの画面をチラチラ覗いているところを捕まえて問い詰めたのです。


私もマイニングをやっているからMinerGateはしょっちゅう見ています!だから気付けたのです。
ついでに「誰もいない夜中にパソコンをガンガンフル稼働させているのはなぜですか?」とも問い詰め、この方はあっさりマイニングを認めました。
マイニングの儲けは【採掘金額】-【パソコンの電気代】で算出される
マイニングは無料でビットコインなどの仮想通貨をゲットできるわけではありません。
マイニングをするパソコンを24時間朝から晩までフル稼働させるため、膨大な電気代がランニングのコストとしてかかります。
ですから、マイニングで得た金額から電気代を差し引いた額が利益になるのですが、電気代が高い日本では大して儲からないのが実情です。電気代が安い開発途上国などでマイニングが盛んなのはこのためです。
マイニングで大きく儲けるためには電気代が安い方がイイ。そこで、今回の会員さんのように、コワーキングスペースの共用電源を利用して、高額な電気代をかけずにマイニングを行う泥棒みたいな輩が表れたのです。
職場・コワーキングスペース・カフェなどの電源がマイニングに利用される危険
通常コワーキングスペースでは利用料の中にあらかじめ電気代が含まれています。そのためいくら大量の電気を使っても従量課金でその分追加とはなりません。無制限でガンガン電気が使用できるマイニング天国になっていたのです。
うちの被害は、半年近く24時間パソコンをフル稼働しマイニングをされた電気代が通常の3倍近い金額。これだけでも大損!
さらに、パソコンを高負荷で稼働させるため、ブーンブーンといった騒音や発熱といった問題も発生していました。昨年の夏はやけに室内が暑かったわけです。
この「共用電源がマイニングに悪用される問題」はコワーキングスペース以外にも、シェアオフィス、カフェ、マンションの共用電源などでも起こるかも知れません。
マイニングは短時間で行うのではなく、数日、数週間と長期間パソコンを稼働し続けて結果を出すもの。もしかするとマイニングに1番都合が良いのは、職場の据え置きのパソコンだったりして。
あなたの会社にも誰にも気づかれずに仕事中も夜中も裏でマイニングを回し続け、こっそり儲けているマイナーが潜んでいるかも。職場の電気代が急激に跳ね上がったらマイナーを疑ってみた方が良いかも知れません。
コワーキング・シェアオフィス「Enjoy Work」でマイニングは絶対に禁止です
「Enjoy Work」で発覚したマイニング会員さんは、今後はコワーキングスペースの共用電源でマイニングをしないと約束してくれました。
ちなみにこの方は今では仲の良い仮想通貨フレンズになっています。マイニングのことも色々教わったりしています。それで損した分のもとは取れたかなあと。
最後に念を押してお伝えしますが、当施設「Enjoy Work」でマイニングは絶対にしてはいけませんから!また禁則事項が増えてしまいました。
まとめ
マイニングで儲けるには、電気代が安い国か、パソコンの発熱を抑えるために寒冷地が適しているそうです。シェアオフィス・コワーキングスペースなど共用施設の電気は無制限でタダで利用できるわけではありません。バレないからと言ってマイニングは絶対にしないように!