湘南の春の味覚と言えば、湘南しらすと並んで「鎌倉わかめ」が有名です。浜辺には無数のわかめが転がっていますが、これって拾って食べていいの?
目次
湘南しらすと並ぶ湘南の春の味覚!「鎌倉わかめ」
海辺でも暖かい日が増えてきました。そろそろ春でしょうか。
湘南の春の味覚と言えば湘南しらすが有名です。でも、地元の人がしらす以上に楽しみにしているのがわかめです。
相模湾の豊かな漁場に面する鎌倉海岸はわかめ漁が盛んです。希少な天然わかめ漁は2月10日に解禁だそうで、漁港の様子も慌ただしさを増している様子。
鎌倉の海岸線に点在する直売所や定期開催される朝市では、新鮮なとれたての生わかめが売っていたり。春はわかめの季節なんです!
すぐに売り切れ!幻の「鎌倉特産湯がきわかめ」と希少「鎌倉産天然わかめ」
中でも幻とまで言われているのが、鎌倉産のわかめをさっと天日干しした「鎌倉特産湯がきわかめ」です!こちらは通販か直売所で購入できます。
出典:鎌倉特産 湯がきわかめ
とれたての旬のわかめを湯がき、浜で自然乾燥させたもので、全行程を手作業で行うため数も多く出回っていないのだとか。まさに幻の逸品!楽天ショップで通信販売もしていますが、出品されるとすぐに売り切れるほど人気です。坂の下にある鎌倉漁協漁業センター(0467-22-3403)では、平日9:00~16:00に直売も行っていますが、やはり人気なのですぐに売り切れてしまいます。
続いて紹介するのが「鎌倉名産天然新わかめ」です。
出典:鎌倉名産 天然新わかめ
今では数少ないわかめ漁で獲った天然わかめを湯がいて浜で自然乾燥させたもの。天然モノなので収穫量が少ないとすぐに無くなってしまいます。また、一度食べたら忘れられない味に惚れ込むリピーターが多く「お一人様【2袋】までの限定販売」の希少品です。
新春の風物詩わかめの天日干し
春が近いこの時期、湘南鎌倉の海岸のあちこちで天日干しされているわかめを見かけます。
こちらは腰越海岸の様子ですが、見渡す限り一面わかめだら。これが春の風物詩なんです。
近寄って見てみると、青々と綺麗に透き通った立派な身です。
まだ水々しい様子なので、ついさっき水揚げされたばかりの新鮮なものなんでしょうね。思わずかぶりつきたくなります。
鎌倉海岸の浜辺にゴロゴロ転がるわかめ!
さらにこの時期は浜辺に天然わかめがゴロゴロ転がっているのだとか!鎌倉高校前の海岸から稲村ヶ崎のあたりまで歩いてみました。
七里ヶ浜を越えて稲村ヶ崎見えてくる辺りになると、ありました!大きな天然わかめ!
生えていたままの太い茎もそのまんま付いています。
もうそこいら中に転がっていておかしいぐらいです。
地元の人はせっせと拾っていますが…これって違法?
潮の満ち干きや流れにもよりますが、ここなんか砂浜の一画がわかめで覆い尽くされています。
写真ではわかりにくいですが、砂浜だけでなく膝下ぐらいまでの海中にもわかめがぎっしり!
で、これだけ大量に落ちていて、しかも旬なので美味しい天然わかめとくれば、地元の人はせっせと拾っていたりします。中には網袋を用意して本格的にごっそり拾って帰るツワモノもいます。
で思ったのです。まてよ、これって違法じゃないの?海産物には漁業権というものがあって、権利を持つ漁師さん以外は勝手に獲っちゃいけないんじゃ…
でも浜辺に打ち上げられているわかめぐらいは拾ってもいいのか?落ちているものだもん。どうなんだろう?
わからないから漁協に聞いてみた!
目の前の大量の放置わかめを見て拾いたいのはやまやまだけど、後で怒られると嫌なので一応確認してみることにしました。なんとなくここいらを仕切っていそうな鎌倉漁業協同組合(0467-22-3403)さんに電話で聞いてみました。
「漁師じゃない一般の人が海岸に落ちているワカメを拾ってもいいのですか?」
「難しい質問ですね。何とも言えないんです。」
「というと?」
「基本的には漁師さん以外はダメだけど、私の口からは明言できないんです。神奈川県の水産課に聞いてみて下さい。」
「ああ、そうなんですね。」
と、何とも歯切れが悪い回答が返ってきました。電話口に出たのは普通のおばちゃんみたいな感じの人だったので、責任問題になるような事柄にはっきり答えるのは難しいのかも知れません。
神奈川県水産課にも聞いてみた!
ここで引き下がる訳にいかないので、漁協のおばちゃんに教えてもらった神奈川県の水産課に聞いてみよう。今回電話したのは「神奈川県 環境農政局 農政部 水産課 漁業調整・資源管理グループ(電話045-210-4549)」です。問い合わせ口がここで合っているのかもわかりませんが。
神奈川県の水産課(045-210-4549)の職員さんとの電話内容
「漁師じゃない一般の人が海岸に落ちているワカメを拾ってもいいのですか?」
「基本的には漁業権を持っている漁師さん以外は獲ってはいけません。」
「基本的には?実際には拾っている人がたくさんいますよね?これは違法なんですか?」
「うーん、違法かどうかは難しい問題です。満潮の時に潮が被る範囲までが漁業権の範囲になるので、それよりも陸側の砂浜にうちあげられているものに関しては、原則として漁業権の範囲外になることが多いため、獲っても問題にならない場合が多いのです。」
「落ちている場所が海中ではなく砂浜であれば問題ないのですか?」
「うーん、明確にそうとも言い切れなくてですね。漁業権の範囲はけっこう曖昧で、詳細は各地域の漁業協同組合に確認して下さい。」
「さっき漁業協同組合に聞いたんですが、こちらの水産課に聞いてくれ、と言われちゃいまして…」
「アハハハ。そうなんですね。困りましたね。アハハハハ…」
「ぶっちゃけ落ちてるのは拾っちゃっていいんですかね?」
「うーん、明言は出来ませんが、漁協さんに文句言われなければいいと思うんですが。判断は各地域の漁協さんに任せています。」
「もし拾っているのが漁協にバレたら罰則があるのですか?」
「確か罰金になりますが、漁協が警察に訴えてはじめて刑が確定するものなので、よほど悪質でない限り厳重注意ですむ場合もあるのですが、これも各地域の漁協さんによりますので(ここいらで勘弁して下さい)。」
「(わからないけど)わかりました。どうもありがとうございました。」
と、漁協と県の水産課をたらい回されましたが、結局よくわからない回答でした。
「わかめ拾って食べていいの?問題」結論
結論として、あまり派手にやらなければ落ちているわかめは拾っても良いんじゃやないかと思います。県の水産課の方が言っていた通り、漁業権が及ぶ範囲は海中と潮が届く範囲まで。砂浜まで打ち上げられているものは拾ってOKなんじゃないかと。
先ほど見かけた大きな網袋をいくつも持って海中までわかめをガッツリ拾いに行くのは、恐らく漁師さんが見たら「ちょっとアウトっぽいね!」と言うかもしれません。
※あくまで私の見解なので詳細は各地域の漁協さんに確認して下さい。
まとめ
新鮮な生わかめってシャキシャキコリコリして信じられないぐらい旨いんです。浜辺に転がっていたらつい持ち帰りたくなるのが心情です。が、漁師さんの漁業権を侵害してはいけませんよね。
地元では海岸に打ち上げられたわかめを拾うのは春の風物詩と言われていて、みんな平気で拾って持ち帰って旬の味を楽しんでいます。
ちょっとなら拾ってもいいんだよね?でも見つかったらやっぱり怒られるの?いまいちはっきりしませんでした。漁協も県も明確なルールを示してほしいなあ。
鎌倉漁業協同組合(0467-22-3403)の職員さんとの電話内容