【一条恵観山荘(いちじょうえかんさんそう)】鎌倉紅葉の名所が一般公開中!空いている穴場の国指定重要文化財です。

【一条恵観山荘(いちじょうえかんさんそう)】鎌倉紅葉の名所が一般公開中!空いている穴場の国指定重要文化財です。

鎌倉紅葉の名所中の名所を紹介します。国指定重要文化財の「一条恵観山荘」(いちじょう えかん さんそう)。

京都西賀茂から鎌倉の地に移築された趣のある緑豊かな庭園。そして皇族が使用した茶室。

鎌倉紅葉の見ごろはまだ先ですが、混雑しない今の時期がじつはおすすめです。

2018年11月上旬の鎌倉東側の紅葉情報

今回は鎌倉の東側で紅葉散策をしています。といっても緑ばかりで赤や黄色の色づきはまだ見られません。

鎌倉の東側を散策
鎌倉の東側を散策
少しだけ草木が色づいてきた
少しだけ草木が色づいてきた
滑川の鯉
滑川の鯉
まだ淡い色の夏っぽい着物の姿も見られます
まだ淡い色の夏っぽい着物の姿も見られます

日中はまだ汗ばむ陽気なので、街を歩く着物姿も薄手で淡い色が多いです。本格的な冬と紅葉の見ごろの到来はまだ少し先になりそうです。

国指定重要文化財「一条恵観山荘」(いちじょう えかん さんそう)とは?

紅葉はまだ先だけど、まだ静かなこの時期にどうしても見ておきたかったのが、今回紹介する一条恵観山荘。「いちじょう えかん さんそう」と読みます。

ここは後陽成天皇の第九皇子で摂政・関白を務めた一条恵観が営んでいた邸宅。木々に囲まれた美しい庭園と茶室が有名です。もとは京都にあったものが、昭和34年に鎌倉に移築されました。

国指定重要文化財「一条恵観山荘」(いちじょう えかん さんそう)

この山荘は、後陽成天皇の第九皇子であり、摂政・関白を二度務めた一条恵観(兼遐・昭良)によって営まれました。

およそ370年前、時代は江戸時代初期、正保三年(西暦1646年)にこの山荘で茶会が催されたという記録があります。

寛永時代の朝廷文化が華やいだ時期となります。

往時は京都西賀茂に建つ、緑の濃淡が幾重にも連なる里山に建つ一条家別邸の離れでした。

一見すると田舎家風なその建物は、恵観公自身が設計をし、随所に雅な心と野趣が込められた、皇族の「茶屋」です。

恵観公の没後、一条家から分かれた醍醐家がその別邸を継承。

様々な時代を経て、昭和34年、鎌倉の地に移築。

庭石や枯山水も建物と共に移され当時と同じように配置されました。

その後、昭和39年には国の重要文化財に指定。昭和の末に現在の地へと再移築され、庭園や現代数寄屋建築の施設とともに整備されました。

同時期の建物としては、京都にあります「桂離宮」「修学院離宮」が有名です。

桂離宮は恵観の叔父の八条宮智仁親王の造営、修学院離宮は恵観の兄の後水尾天皇による造営であり、いずれも江戸初期の朝廷文化を今に伝える施設です。

引用元:一条恵観山荘

一条恵観山荘を訪れる人はお茶の道に通じた人か年配の方が圧倒的に多数。若い人には竹林の報国寺や、寺カフェで有名な浄妙寺の方が人気がありますからね。

そのためか、紅葉の最盛期や茶会が催される日を除いて、混雑することがない静かな場所。

それでも、一条恵観山荘はれっきとした国指定重要文化財。由緒正しく見どころも満載で、鎌倉観光スポットの隠れた穴場といえます。

一条恵観山荘の基本情報:開門時間は10時~16時、入場料は500円、所要時間は?

一条恵観山荘に入れる時間帯は10時から16時まで。最終入園はなんと15時半。観光客の一般的な感覚からすると閉まるのがちょっと早いので注意してください。

入口にある一条恵観山荘の紹介文
入口にある一条恵観山荘の紹介文
一条恵観山荘の入場料は500円
一条恵観山荘の入場料は500円

所要時間はざっと見て回る程度でしたら最短で30分程度です。

しかし、一条恵観山荘を本当に堪能するには2時間は欲しいところ!自然豊かな庭園にはベンチや休憩所がたくさんあるので、ぜひそこで一休みして欲しいのです。

草木を眺め、近くを流れる滑川のせせらぎや、山に響く鳥のさえずりに耳をかたむけ、日々の喧噪から完全に隔絶する時間。それと寺カフェでのお茶タイムも合わせると、まあ2時間あっても足りないぐらい!

一条恵観山荘には寺カフェもあります
一条恵観山荘には寺カフェもあります

一条恵観山荘を散策する際は、急がず余裕を持つように心がけましょう。

庭園図で一条恵観山荘の見どころを確認

受付の入場料500円を払うと、こちらの庭園図をもらえます。一条恵観山荘の見どころが見やすいイラストでまとめられているので活用しましょう。

入場料を払って入館
入場料を払って入館
一条恵観山荘の庭園図
一条恵観山荘の庭園図
細い通路を通て中へ
細い通路を通て中へ
熊笹もちらほら
熊笹もちらほら
本物そっくりですが作り物の蟹
本物そっくりですが作り物の蟹

細い通路の途中の水の中にいる蟹は本物そっくりですが偽物です。これはちょっとした遊び心。

希少な守山石に野趣あふれるかやぶきの門

通路を抜けると、黒い扁平な石が敷き詰められています。これは大変希少な真黒石。

希少な真黒石を敷き詰めた通路
希少な真黒石を敷き詰めた通路

その先には立派なかやぶき屋根の門。天皇を迎えるためのご御幸門です。

黒石の先にご御幸門
黒石の先にご御幸門
立派なかやぶきの屋根
立派なかやぶきの屋根
ざくっとしたかやぶきの断面
ざくっとしたかやぶきの断面
内部は雑木を組んである
内部は雑木を組んである

ザクッと落とされたかやぶき。野趣あふれる造りです。

美しい自然に囲まれた庭園

門を抜けると回遊式の庭園が広がっています。

門の先は守山石
門の先は守山石
枯山水と田舎造り風の山荘
枯山水と田舎造り風の山荘
屋根はいっけん田舎風
屋根はいっけん田舎風
かやぶきの下はこけらぶきの珍しい2重構造
かやぶきの下はこけらぶきの珍しい2重構造
枯山水の庭園に黒松が映える
枯山水の庭園に黒松が映える
飛び石の散策路
飛び石の散策路
こちらも立派な枯山水
こちらも立派な枯山水
石の川の上に渡された石の橋
石の川の上に渡された石の橋
流れつくばい
流れつくばい

野趣が込められた庭園と、田舎風の屋敷。随所に見られる京都風の雅な造りが見事です。

絶好の写真スポット!茶室「時雨」の円窓

こちらの茶室「時雨」の円窓は絶好の写真スポット。

茶室時雨
茶室時雨
紅葉が楽しみな写真スポット
紅葉が楽しみな写真スポット

緑の葉も綺麗ですが、赤い紅葉はもっと映えるはず!楽しみです。

一条恵観山荘おすすめの過ごし方:腰を降ろして鎌倉の原風景に溶け込む

敷地内には自然のままの山の斜面、竹林、滑川の渓流があります。

鎌倉の原風景の山と渓流
鎌倉の原風景の山と渓流
立派な竹林
立派な竹林
熊笹と苔のわび
熊笹と苔のわび

庭園をひとまわりしたら、各所にある好きな休憩どころで腰を降ろしてください。

木々に囲まれたあずまや
木々に囲まれたあずまや
随所にもうけられた休憩どころ
随所にもうけられた休憩どころ
自然の苔の脇で一休み
自然の苔の脇で一休み
自然に囲まれてほっと一呼吸
自然に囲まれてほっと一呼吸

鎌倉の原風景ともいえる自然に心と体を傾けてみましょう。渓流のせせらぎや鳥のさえずりが驚くほど鮮明に耳に入ってきます。そうすると日々の雑事がふっと頭からいなくなります。

これが一番贅沢な一条恵観山荘の楽しみ方だと思います!

一条恵観山荘の紅葉状況は?台風の塩害は大丈夫?

気になる紅葉の状態ですが、片側に山がある地勢のためか、台風の塩害の被害も少なく、枯れ落ちている木はほとんどありません。

南側は山に囲まれています
南側は山に囲まれています

11月上旬の紅葉の進み具合は、青い葉が多く赤や黄の色付きはほとんど見られない状態です。

緑の葉がまだ多い
緑の葉がまだ多い
この一角だけ赤く染まっていました
この一角だけ赤く染まっていました
下の方は緑です
下の方は緑です
こっちはちょっと色付いてきた
こっちはちょっと色付いてきた

よく探してみると局所的にうっすら色が変わってきている場所もありますが、本格的な見ごろは11月下旬ころになりそうです。

一条恵観山荘の11月・12月の催し・イベント

一条恵観山荘というと連想されるのが皇族や茶会など少し高貴なイメージですが、敷居が高過ぎて入りにくい場所では決してありません。下記のような無料解放日、建物見学、茶の湯体験などの催しが定期的に開催されています。

2018年11月・12月に行われる一条恵観山荘の催し・イベントをまとめてみました。

一条恵観山荘のイベント一覧
一条恵観山荘のイベント一覧

入園料500円が無料の日

12月7日 鎌倉市民デー

建物見学(一条恵観山荘)

11月1日、3日、4日、7日、8日、14日、25日、26日、27日、28日、29日、30日
12月1日、5日、7日、9日、12日

開催時間 10:15、11:15、13:00、14:00
所要時間 50分程度
料金   お1人様1,500円(入園料込)

茶の湯体験

11月2日、3日
12月1日、2日

開催時間 10:20、11:20、13:00、14:00
所要時間 40分程度
料金   お1人様2,500円(入園料込)

詳細や予約状況は一条恵観山荘公式HPのカレンダーをご覧ください。

まとめ

鎌倉の紅葉の名所、一条恵観山荘でのんびりしてきました。紅葉はまだでしたが、観光客も少なく静かな庭園をほぼ独り占めでき、最高に贅沢な時間を過ごせました。自然豊かな鎌倉の原風景に癒されます。次は紅葉の最盛期に再訪したいと思います。

紅葉のシーズンはこんな雅な着物を着て訪れたいものです
紅葉のシーズンはこんな雅な着物を着て訪れたいものです

■一条恵観山荘敷地内にある寺かふぇ楊梅亭(やまももてい)


店舗情報 かふぇ揚梅亭 (カフェ ヤマモモテイ)

■ホームページ
かふぇ揚梅亭 (カフェ ヤマモモテイ)
スマホ予約がクーポン付でお得!Tポイントも貯まります!
■営業時間
10:00~16:00
日曜営業
■定休日
不定休(一条恵観山荘に準ずる)
■住所
神奈川県鎌倉市浄明寺5-1-10 一条恵観山荘


こちらの記事もどうぞご覧ください!